「ゆっくり行こう」

エディーは、各駅停車の電車です。

かけっこはあまり得意ではありません。

いつも隣の駅でひとやすみ。

車両も一両だけです。

距離も長くは走れません。

それでも、エディーは自分のできる範囲で、

毎日一所懸命働いていました。

ある日、急行電車のフランクがエディーに言いました。

「おまえは何てノロマなんだ。

そんなんじゃ、人間の役に立つことなんてできないじゃないか」

フランクの言葉を聞いたエディーはすっかり自信をなくしてしまいました。

「なぜ僕はこんなにノロマなんだろう?

フランクのように早く走ることができれば、お客様に喜んでもらえるのに。

学級委員で特急のジョージなんて

足が早いだけでなく、成績まで優秀なんだよな~」

エディーはすっかり自分のことが嫌いになってしまいました。

ある日、おばあさんがエディーに言いました。

「毎日ありがとう。君がいてくれて本当に助かるわ。

急行の止まる駅は遠くて、わたしでは歩いて行けないもの」

また、別の日にスーツを着たおじさんが言いました。

「お前がいてくれるおかげで、

時間通りに仕事を進めることができるよ」

エディーは思いました。

「僕は足も速くなければ、沢山のお客さんを運ぶこともできない。

でも、僕を必要としてくれているお客さんがいるんだ。

それでいいじゃないか。僕は僕なりに頑張ろう!」

エディーは、すっかり元気になりました。

そして、またいつものように、ゆっくりと一所懸命に仕事に励んだとさ。

                                  【おしまい】