私たちは、人生の節目節目で進路の選択に迫られます。
具体的には、
・高校受験の時
・高校卒業の時(進学or就職、理系or文系)
・就職の時(職業選択)
などです。
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私が若いころに比べると
必要な情報も、随分入手しやすくなりましたが、
それでも進路選択には頭を悩ますことが多いのではないでしょうか。
それもそのはずです。
日本の高校では、校則でアルバイトを禁止していることが多いので、
「そもそも働いた経験がない」という人がほとんどです。
だから、
働くとはどんなことなのかというイメージが湧きません。
どんな仕事が自分に向いているかもわかりません。
また、
日本の教育は、いろいろな教科を人並にすることが求められるので、
専門学校にでも通わない限り、
仕事に役立つ能力を高める訓練もしていません。
これでは、人生の岐路に立って、
正しい判断をすることは難しいと言わざるを得ません。
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以前、『私には才能がない』でもご紹介しましたが、
「夢は、才能ではなく、努力で実現する」ものです。
「人間の才能に大して差はない」とおっしゃる方がいます。
私もそう考えます。
「そんなことはない。
東大に入った人や、オリンピックのメダリストは
才能に恵まれたから、そうなったのではないか?」
と、おっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
では、お尋ねしますが、才能とは何ですか?
才能とは一体どのようなものですか?
才能はどのように備わるのですか?
才能はすべて先天的なものですか?
それとも、努力次第で後天的に伸ばすことができるものですか?
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「才能は遺伝だ」と、おっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
では、
両親が共にオリンピック選手だったにもかかわらず、
その子供は運動音痴というケースがありますが、
これはどのように説明しますか?
両親は勉強が苦手だったけれど、
その子供は成績優秀で東大に行った人がいますが、
どう説明しますか?
そもそも才能なんて、本当にあるのでしょうか?
ただ実体がわからないから、
「才能」という言葉で、納得した気になっているということはありませんか?
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かつて、こんなことを言った人がいます(確かアメリカの学者だったと思います)。
「人間の能力は平等である。ただ、向き・不向き、得意・不得意があるだけだ」と。
彼は、
・人間の能力は、病気などの障害がない限り、基本的に大差はない
・男女による差もない
・ただ向き・不向き、得意・不得意があるだけ
だと言っています。
私もその通りだと思います。
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彼は、能力に男女差もないと言っています。
ただ、男女で向き・不向き、得意・不得意の傾向はあるとしています。
たとえば、
彼は、女性は男性より「語学力」が得意だと言っています。
これは、私の実体験として実感したエピソードがございます。
私には姪がいます。
彼女は1歳になる前から言葉を発し始めて、
2歳半を過ぎたころからは、
「よくそれだけ話すことがあるな」と思うぐらい
矢継ぎ早に話しかけてきていました。
このイメージがあったので、
「小さい子はみなそういうものだ」と考えていたのですが
自分の息子は3歳になっても
・「おとうさん」
・「おかあさん」
・「まんま」
など簡単な単語しか発することしかできなく、
姪と比べて、あまりにも語学力が乏しかったため、
「この子には障害があるのでは?」と心配したものです。
しかし、4歳を過ぎた頃から、徐々に語彙も増えてきて、
普通に話すようになりました。
もちろん、発育の早い、遅いというのが一番の要因だったと思いますが、
外国語を学習する場合も、
男性に比べて女性の方が上達するスピードは速い傾向があることも勘案すると、
彼の理論は的を射ているように感じました。
と言いますのも、
言語能力の発達で最も重要なのは、
「とにかく話す」ことだからです。
男性は、比較的寡黙な人が多い傾向にあります。
これが語学力の上達の阻害要因となります
一方で、
女性は、話好きな人が多い傾向にあります。
習ったことは、とにかく遣って話したがる人が多いそうです。
その結果、語学力が短期間で上達するのだそうです。
このように、
「成果は才能によって差がでるのではなく、
得意・不得意によって差が出る」のだと、私は考えます。
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繰り返しですが、
「夢は、才能ではなく、努力で実現する」ものです。
才能ではありませんので、
どんな「夢」でも、努力次第でいつかきっと実現ができるはずです。
ただし、
できれば得意なもの、好きなものを「夢」にすることをお勧めします。
と言いますのも、
「夢」はそう簡単に実現することはできないからです。
必ず途中で何度か大きな壁にぶち当たります。
そうした壁にぶち当たったとき、
得意なもの、好きなものであれば、
そうでないものよりも
乗り越え易くなるからです。
また、
不得意なもの、好きではないものを「夢」にすると、
通常よりその実現に時間と手間が多くかかることになります。
もしかしたら、死ぬまでに「夢」を実現することができないかもしれません。
だから、自分の得意なもの、好きなものをベースに
「夢」を描いてみることをお勧めします。
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以前、「進路とは」でもご紹介していますが、
進路とは、「夢」を実現するための通り道です。
そのため、進路を考える前に
①夢を描く
②夢と現状のギャップを把握する
③ギャップを埋めるための課題を抽出する
必要があります。
「夢」を描くことができれば、
進路も自ずと決まってきます。
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では、職業選択において
・自分の得意なこと
・自分の好きなこと
をどのように見つければいいのでしょうか。
それは、やはりいろいろやってみるのが近道だと思います。
学生であれば、アルバイトがお勧めです。
それもできるだけ多くの業界、職種を経験した方が良いと思います。
私は、
・家庭教師
・塾講師
・保守・点検
・引っ越し
・セレスポ
・グッズ販売
・新聞・雑誌
など、いろいろのアルバイトに挑戦しましたが、
今思えば、もっとやっておけば良かったと後悔しています。
私がやったアルバイトは、それはそれで楽しかったのですが、
自分の得意なこと、好きなことを探すという観点では
今一つ不十分だったような気がするからです。
もっと自分の得意なこと、好きなことを突き詰めれば良かったと
今更ながら思う次第です。
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最近はアルバイト以外にも職業体験をする機会が増えています。
たとえば、キッザニアです。
これは中学生以下の子供たちを対象とした職業体験施設です。
キッザニアでは、体験できる職種も多く、
・パイロット
・証券会社
・警備
・パン屋
など、バーチャルですが、実際に働いてみて、最後には給料ももらえるというものです。
東京、大阪、福岡にしかありませんが、
もし機会があるのであれば、利用してみてはいかがでしょうか。
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また、近年ではインターンシップを行う企業も増えています。
いくらインターネットを通じて情報が入手しやすくなったといっても、
実体験に勝るものはありません。
インターンシップは、
ある一定期間実際の職場で仕事を体験することができます。
学校からの紹介だけでなく、
直接応募することができるものもありますので、
機会があれば、できるだけ挑戦してみることをお勧めします。
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自分の「夢」、特に職業選択を考えるにあたっては、
自分で十分に納得がいくまで熟考することをお勧めします。
仕事は、人生の多くの時間を費やすものですので、
それが楽しくないようでは、不幸以外何物でもありません。
仕事を選ぶにあたっては、
自分の得意なこと、好きなことをベースに考えましょう。
きっとその方が、楽しい職業人生を送ることができるかと思います。
得意なこと、好きなことを探すには
実体験がお勧めですので、
・アルバイト
・キッザニア
・インターシップ
など、挑戦できるものは可能な限り多く挑戦してみましょう。
あなたの未来が実り多いものになることを心よりお祈りいたします。
太海
